いま私達は、加速度的に進む地球の環境破壊を食い止め、持続可能な地球社会を創って次の世代へつないでいくために行動しなければなりません。日本でも温室効果ガスの削減だけではなく2050年までに排出後の二酸化炭素の排出量を全体としてゼロにすることを目指す「脱炭素社会」実現への取り組みが始まりました。そのために、様々な再生可能エネルギーの全エネルギーに占める比重をいかに高めていくかが喫緊の課題になっています。
その中で太陽光発電は最重要な取り組みの一つと位置付けられてきた半面、山林伐採で土砂災害の原因となったり里山の景観を損なう等の批判に晒されて来ました。その解決策として挙げられるのが、営農型太陽光発電=ソーラーシェアリングです。これは耕作放棄地となった平坦な農地に設置した発電パネルと下部の作物とで太陽光を分かち合う仕組みです。
私はこれに、福祉事業を協働させ、「営農・太陽光発電・福祉」という三位一体の事業を行う株式会社設立を思い立ちました。障がい者の方達が太陽光パネルの下での有機野菜作りなどに取り組むのです。これにより農福連携の新たな可能性が広がり、障がい者(及び高齢者)の方達に就労・社会参加の機会そして生きがいを感じる場を提供し、持続可能な地域社会づくりに貢献することができます。さらに低圧の太陽光発電で蓄電した電力は地域の非常用電源として有効な防災対策ともなります。私達は独自の売電の仕組みを工夫し、学校給食などへの有機野菜を販売し、企業の障がい者雇用義務に協力するなどによって独立採算のソーシャルベンチャーとして育成していきます。
この最初の取り組みが上手く行けば日本のエネルギー事情を変えるだけでなく、障がい者の方達が日本を救うことにもなります。地方の片隅で小さな流れから創めたことが、やがては豊かな水を湛えた大河となり地域社会や日本全体に大きな恵みを与えてくれると信じています。